拡散と限外ろ過

拡散

拡散

拡散とは「水溶液中の溶質が濃い方から薄い方に移動して均一になる現象」のことです。

牛乳を水に一滴垂らすと、拡散により牛乳風味の水が出来上がります。

では、水と牛乳を分けて仕切りのある部屋に入れてみました。

仕切りに穴を開けます。そうすると。。。

水と牛乳が同じ数になりました!これにより濃度差がなくなり移動も止まります。

すごく簡単にすると、これが拡散です。

牛乳はさておき、透析ではどうなってるかみていきましょう!

透析では?

拡散では、移動するのは溶質自身であるため、重ければ移動しづらく、軽ければ移動しやすくなっています。なので分子が重い物質ほどクリアランスは低下します。


  1. 透析では拡散の原理を利用して、血液側→透析液側に毒素等(BUN、クレアチニン)を移動させます。
  2. 逆に透析液側→血液側に必要なイオン(重炭酸水素イオンやカルシウムイオン)を移動させています

透析では体内に入れたい物質がある場合透析液側の濃度が高くなるように設定され、逆に体外に出したい物質があれば血液側の濃度が高くなるように設定されています。

限外ろ過

透析の原理として限外ろ過があります。血液透析といえば拡散と限外ろ過の原理を利用して行う治療ですが、圧力差を利用して水分のみを移動するのが限外ろ過です。
これを利用している透析にECUM(イーカム)モードがあります。低血圧や不均衡症候群予防などに使用されるモードですね!!この限外ろ過について簡単にまとめます。


半透膜で仕切った血液と透析液を左図←で、圧力を加えたのを右図→で

半透膜で仕切られた一方の液面に圧力を加えると透析液側に水分が移動し、水かさが増しました‼
水は圧力の高い方から低い方に向かって流れていきます。

透析では設定除水量に合わせ、透析液側から予め陰圧をかけることで水分の移動を可能にしています。

最後に

  1. カルシウム濃度が低い患者さんには透析液側から血液側に入りますが、逆に高い患者さんは除去されるようにされています。
  2. 重炭酸イオンはアシドーシス改善のために透析液側から血液側に入れるように濃度を高めに設定してあります。

詳しくはまた別の記事でまとめます。

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