副甲状腺から分泌されるパラソルモン(PTH)
は、
- 腸管からのカルシウム吸収
- 尿からのカルシウム排泄抑制
- 骨のカルシウムを血中に放出
などの作用によって、血中のカルシウム濃度を上昇させる働きがあるホルモンです。
血中カルシウムが多いと:PTH分泌抑制
血中カルシウムが少ないと:PTH分泌促進
透析を受ける患者さんは腎機能が低下しています。そのため上記1.2.3の働きも同時に弱まり低カルシウム血症を起こしてしまいます。
腎機能が低下した状態が続くと低下したカルシウム濃度を上昇させるために副甲状腺からPTHが過剰に分泌されてしまい、血中カルシウム濃度が異常に上昇します。
このような疾患が二次性副甲状腺機能亢進症です。
症状
PTHの働きによって骨のカルシウムを血中に過剰に放出し続けてしまうと、骨が脆くなってしまい骨折などの症状が出てきてしまいます。
またその過剰に分泌されたPTHによるカルシウムの異常上昇は、骨以外の場所に沈着し異所性石灰化という症状が見られることもあります。これは動脈硬化などの血管系のイベントのリスクが高まり生命予後に悪影響を及ぼす可能性があります。
治療
主にされる治療は薬物療法になります。現在使用されている薬物にウパシタがあります。
ウパシタは、副甲状腺のカルシウム受容体を直接刺激することで過剰なPTHの分泌が抑制され、血中のカルシウム濃度が正常に抑えられ、二次性副甲状腺機能亢進症の症状が緩和される期待のある薬剤です。
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