ドライウエイトと各種検査項目
DWとは「体液量が適切であり、透析中の過度な血圧低下を起こすことなく、且つ長期的にも心血管系への負担が少ない体重」と日本透析医学会のガイドラインに示されています。
ですが、容易に決定できる物ではなく現在も様々な所見から患者様一人一人のDWの調節と戦っていると思います。
今回はそのDWの決定に使用されている検査項目(CTR,hANP,EF,)を簡単にまとめていきたいと思います。
CTR(心胸郭比)
CTRとは胸のレントゲンであり、胸の幅に対する心臓の幅の比率を求めた値です。正常値は男性50%以下、女性55%以下といわれています。主に細胞外液量が関係してきます。
じゃあ適正値になるまで透析で除水すればいいんだね!
施設や患者によって撮影する頻度も違うし、正常値に当てはまるからと言って絶対的に適正なDWとは言い切れないから難しいんだ。。。
実際現場ではCTRを定期的に撮影・測定し、血圧の変動を見ながら徐々にDWを増減させ、患者一人一人に合わせなければなりません。
hANP(心房性ナトリウム尿ペプチド)
主に心房で合成、貯蔵され血中に分泌されるホルモンです。透析患者さんは水分調節が日常的に行われますが細胞外液量・体内水分量の増大によって心臓の心房筋が刺激され検査値が上昇します。基準値は50~100pg/dl以下を目安とします。
hANPは正常値に合わせて除水するの?
そうだね!hANPは基準値から上がりすぎても下がりすぎても良くないんだ。上室性不整脈(心房細動、心房粗動、多源性心房頻拍)があるとhANPは以上に高くなるから、検査項目として使えないから覚えておくといいよ!
LVEF%(左室駆出率)
左室の機能を示す指標です。一般的に基準値は60%前後でそれ以下だと収縮不全とみなします。DWの調節でも、除水過多ならEF%は下がります。逆に適切なDWであれば60%前後で推移します。DW調節の一つの指標として使用できます。
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